2012年10月19日

ニュースレターで夏の作文公開中

ニュースレターvol5は、夏の子どもの成長お披露目特集。コンクール出典作品が多いので、原文そのままとはいきませんが、特にそれぞれの生徒がクリエイトした部分を残して、さまざまな優秀作品を掲載しました。配布希望の方は、松桜塾まで。
郵送希望の場合も、住所・氏名をお知らせくださいますと、無料にて送付中です。
posted by まつさくら at 23:41| Comment(0) | 近況報告

2012年10月01日

鉛筆【中3MKさん】

少女のクラスにはいじめられている少年がいた。彼は顔が端正とはいえず、また気弱な性格だった。いいように使われたり、それに反抗してけなされたりしていた。少女には、それが当然とは思えなかったが、皆の反感が怖くて黙って見ているだけだった。

ある日、学校の帰り道、小学生が公園で遊んでいるのを見た彼女は、彼とよく一緒にいたなと、ふと思い出した。彼とは家が隣同士だった。だんだんと疎遠になって、今はもう話しかけられもしないことに、一瞬悲しくなった。

その午後、少女の家に彼がやってきた。回覧板を届けに来たのだった。彼女は驚いたが、二人で話していたのを誰かに見られて、編やな噂を立てられたらたまらない、と、急いでそれを受け取って帰そうとした。すると、彼は、「これ」と言った。彼女が振り返ると、差し出された彼の手には鉛筆が握られていた。よくよく見ると、昔少女が彼に貸したものだった。彼はそれを渡すとゆっくり帰っていった。

少女は鉛筆を見つめた。小学校から使っていたものだ。後ろが削られ、幼い字で自分の名前が書いてあった。試しに紙に字を書くと、思いがけず、思い通りにすらすらとなめらかに書けた。

なぜか、少女は情けなくなった。

 

【講評】小説作文です。中3の女の子が一学期に書いたものです。設定などにリアリティの問題がありますが、すらすら書ける鉛筆とうまくいかない自分を重ねる手法をとろうと、苦労したのです。これまでに紹介したものは、男の子の作品でしたが、これは女の子らしい感性も生きていますね。



posted by まつさくら at 00:35| Comment(0) | 小説作文